世界で最初に有機の認定を取得した茶園
イダルガシナ茶園は、スリランカ南東部ウバ州、ハプタレーに位置します。標高1800mの高地で生産されるウバ茶は、ダージリン、キーマンと並び、世界の三大紅茶の一つに数えられる高級茶です。1987年に世界で初めて有機認証を受け、オーガニック紅茶、緑茶、フレーバーティーなど、幅広い高品質のお茶を生産しています。スリランカの貿易会社スタッセン社(Stassen Natural Foods (Pvt) Ltd)と協働でフェアトレードに取り組み、地域コミュニティーの生活を改善するための開発プログラムが行われています。
※日本語表記について※
わかちあいプロジェクトでは、90年代当初より、ドイツのフェアトレード団体トランスフェアやフェアトレードショップGEPAの表記に合わせ、ドイツ語の「Idulgashena Ceylon Bio Tee」から「イダルガセナ茶園」と表記してきました。しかしながら、近年では英語名「Idulgashinna Bio Tea garden」が広く普及しているため、それに合わせて「イダルガシナ茶園」の表記に変更しました。
背景
スリランカでは、16世紀以降、ヨーロッパの国々が進出し、植民地化が進められました。スリランカの紅茶生産者の多くは、この植民地時代にイギリスが支配する南インドから連れてこられたタミルの人労働者です。イギリスから独立を果たした後も、国内では宗教・民族間の対立が続く中、茶園では長い間絶対的な主従関係のもと、タミル人労働者の劣悪な生活環境が続いていました。一方先進国では、グローバリゼーションと自由貿易が進む中で、生産国の貧困と環境破壊に対する市民意識が高まってきていました。
そのような中、スリランカの大手商社スタッセン社が、茶園の労働問題と環境問題に取り組むため、80年代中ごろから実験的に、有機栽培とフェアトレードの取り組みを開始したのがイダルガセナ茶園です。イダルガセナ茶園では、環境を持続するための有機農法のほか、労働者が安全な環境で働き、暮らしていくための衣食住を整え、国際貿易によるビジネスとしての自立を目的に、コミュニティープログラムが実施されました。フェアトレードの仕組み(FLO認証)ができる前から、地域と人々を守るために様々な取り組みが行われた場所です。1987年には、世界で始めて有機の認証を受けました。作られた製品は、ドイツのキリスト教を母体にした第三世界ショップGEPA(後のヨーロッパ最大級のフェアトレードショップ)が継続的な取引を保証するという、協力関係が構築されました。その後、高品質な有機栽培紅茶の生産と、現地の開発プログラムが続けられ、世界で知られる茶園となりました。
フェアトレードの成果
フェアトレードにより得た収入は、地域の開発のための社会プログラムに使われます。
この茶園では、人々が安全に使える衛生的なトイレの設置や、茶園労働者とその家族が暮らす住居の建築が行われています。また、茶園で働く女性たちが安心して子どもを育てられるよう、医療センターや幼稚園・保育園・託児所が開設され、運営されています。そして地域には小・中・高校や、専門性を身に付けるコンピュータースクールも設置され、未来へつなぐ教育が行われています。
さらに、従来の農法に比べて手間のかかる有機農法を実践していくため、労働者への有機農法のトレーニングや、さらなる環境配慮型のバイオダイナミック農法の導入が行われています。
◆2006年に代表の松木がイダルガシナ茶園を訪問しました。訪問レポートはこちら
わかちあいプロジェクトのフェアトレード商品
わかちあいプロジェクトでは、1992年8月にイダルガシナ茶園(スタッセン社)の有機紅茶を初めて輸入し、販売しました。当時は有機栽培はまだめずらしく、 コクのある紅茶として大変好評をいただきました。その後20年以上にわたり、日本全国の皆さまにご愛用いただいています。
取扱商品:
【スリランカ産】有機ウバティー (ティーバック25p, リーフティー100g/250g)
世界三大銘茶ウバのストレートティー。しっかりしたコクのある味わいで、渋みが少なく、優しくまろやかな甘味が口の中に広がります。和食ともよく合う落ち着いた味で長年愛されているベストセラーです。
【スリランカ産】有機アールグレイティー (ティーバック25p)
ウバティーにベルガモットの果皮から抽出した天然香料をつけた紅茶の定番。さわやかなアロマが特徴で、ミルクともよく合います。
【スリランカ産】有機ウバ・ダージリンブレンドティー (ティーバック50p)
ウバティーに上品で芳醇な香りを持つダージリンをブレンドしました。さわやかな味わいが人気です。
※この商品のバスケットは、スリランカのタバデニア村の女性たちが手作りしたものです。
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