タイ北部の都市チェンマイの新市街地から車で約20分ほどの場所に、緑に囲まれたカフェとコーヒーの焙煎所があります。
ラナカフェ(Lanna Cafe) は、わかちあいプロジェクトの「タイ山岳民自立支援プロジェクト」により、2001年5月に開店したカフェです。当時タイでは本格的な焙煎コーヒーやプレスコーヒーがまだ珍しく、焙煎コーヒーのショールームのような役割を果たしてきました。タイのコーヒー中心地ともいわれるようになったチェンマイで、コーヒーブームの火付け役になったのがこのカフェです。2015年10月、古着支援の出張の道すがら、設立から14年を迎えたこのカフェの視察と、山岳民コーヒー( Thai Highland Arabica Coffee ) について話を聞くため、ラナカフェを訪問しました。
大通りから少しはずれた小道を進むと、緑に囲まれたカフェが見えてきます。店内は木の合間から太陽の光が差し込み、ナチュラルでアジアンな雰囲気がして、とてもゆったりとした気分になります。テラスには手作りのブランコもあり、風を感じながら美味しいコーヒーを楽しむのに最適な空間。店内は、タイ山岳のコーヒー生産地や、山岳民の人々を支えるプロジェクトの紹介パネルがびっしり飾られているほか、米国大使やスターバックスの方が訪問したときの写真も飾られています。日本でもメジャーなシアトル系コーヒーショップの雰囲気に、タイらしさを合わせもったような素敵なカフェです。
気になるメニューは・・タイ山岳のアラビカコーヒー100%の「Lanna coffee」をはじめ、エスプレッソやラテなどの定番から、ココナッツカプチーノ、ヘーゼルナッツコーヒー、カフェバナナシェイクなどのタイらしいメニューもあります。
お食事は、モーニングセットにベーグル、パンケーキ、パスタ、サラダ、スープなど、タイで本格的な洋食カフェメニューが楽しめます!サンドイッチはパンや具をお好みで選んで作ってもらうこともできますよ~。どれもとっても美味しいです!
カフェの裏には焙煎所があり、タイ山岳から届いたアラビカコーヒーがここで焙煎され、国内の販売店やカフェなどへ届けられます。アラビカ豆を計量し、大型焙煎機へ投入、焙煎具合を目と鼻でこまめに確認して、できた豆から不良を一つ一つ丁寧にピッキングします。焙煎後、1晩おいた豆は、国内の業者向けにパッキングされます。ここでは2001年の開業当初に日本から送った、日本製の機材や容器もたくさん。10年以上たっても大切に使われていました。
コーヒープロジェクトなどのタイ山岳民支援事業を運営しているのは、現地NGOのITDP(Integrated Tribal Development Program)です。カフェの隣にあるITDPの事務所・会議室では、コーヒープロジェクトのほか、水と衛生事業、教育・社会開発、農業ビジネスのプロジェクトについて紹介されていました。わかちあいプロジェクトが日本で販売していた「教会のコーヒー」や、イオンのコーヒー、スターバックスのコーヒーも大切に展示されています。現在、プロジェクトでは5地域25村にわたり、500家族の暮らしを支えています。山岳に住む人々は、コーヒー豆の栽培による収入により生活していますが、医療や教育へのアクセスはまだ十分とはいえません。村にトイレや貯水タンクを設置して、衛生的な生活環境を整えたり、子ども達が学校に行けるよう奨学金を支給といった事業が行われています。
カフェスタッフのみなさんは10年以上にわたり働いていて、今ではコーヒーの焙煎からカフェメニューの調理までみんな何でもこなせます。スタッフの一人、オーさんは、カフェの開店にあたりわかちあいプロジェクトにとても感謝していることを話してくれました。今もカフェで販売しているコーヒー豆の袋は日本から送っています。ラナカフェの成功例は、現在わかちあいプロジェクトが新たに取り組んでいるミャンマーコーヒープロジェクトなど、コーヒー生産者支援の上でもモデルケースになっています。
★ラナカフェは現在、タイのチェンマイとアメリカのカリフォルニアに店舗・事務所を持ち、スターバックスのほか、ヨーロッパ各国へタイ山岳のアラビカコーヒー (Thai Highland Arabica Coffee)を販売しています。
ぜひタイやアメリカに行かれる際には、お立ち寄りください!
また、日本での輸入販売をご希望される方は、ぜひお問い合わせください。
Lanna Cafe (タイ)
http://www.lannacafe.org/
Lanna Cafe Co (アメリカ)
http://www.lannacoffeeco.com/
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