2月ですね!みなさんはチョコレートはお好きですか?
バレンタインデーの時期になると、街のお店には美味しそうなチョコレートがずらりと並びますね。可愛らしいピンク色の広告と香ばしいカカオの香りに惹かれてついついたくさん買ってしまいたくなります。

そんなワクワクに水を差すようですみませんが、知っておいていただきたいカカオのお話があります。

昨年12月、国際フェアトレード機構は、カカオ豆のフェアトレード基準を改定することを発表しました。なぜかというと・・途上国のカカオ農家が依然として貧困に苦しんでいて、カカオ生産国では未だに多くの児童労働が行われていることが分かったからです。

みなさんの選ぶチョコレート、大丈夫でしょうか・・?

カカオ農家の現状

ドミニカ共和国コナカド生産者組合のカカオ農家

チョコレートの原料となるカカオ豆は、カカオベルトと呼ばれる赤道を挟んで上下20度の地域で栽培されています。その地域で収穫されたカカオ豆は、先進国に運ばれ、美味しいチョコレートへと変身し、私たち消費者の元へ届きます。
そのほとんどは、国際市場価格や国政府の定める価格で取引され、生産者の声が届くことはありません。カカオ農家の多くは、日々暮らしていくために十分な収入が得られず、子供たちは学校に行かずに農家の手伝いをして過ごしています。
子供たちが学校に行くことができなければ、大人になっても読み書きができず、農家を引き継いでも仲買人や商社の言いなりになって売らざるを得ません。こうして貧困のサイクルが続いていきます。

2018年7月に発表されたGlobal Slavery Indexによると、依然として西アフリカだけでも210万人以上の子どもたちが児童労働に従事していることが分かりました。そのうち150万人がカカオ豆生産量トップのコートジボワールとガーナの10~17歳の子供たちです。ガーナでは、708,000人の児童労働のうち668,000人がカカオ生産に従事しています。

国際フェアトレード機構が2018年4月に発表した調査では、コートジボワールのカカオ農家の58%が、依然として貧困線以下の暮らしをしていることが判明しました。国際フェアトレード機構は、カカオ農家が生産コストを賄いながら生活していくためには、1日当たり2.51ドルの収入が必要だとしていますが、実際は平均して1日0.78ドルしか得ることができていませんでした。

このような、生産者を苦しめるカカオが世界中で流通しているということを、チョコレート消費国で暮らす私たちは、知る必要があります。何気なく手に取ったチョコレート、児童労働によって栽培されたカカオが使われていた、ということも、もしかしたらあるかもしれません。

フェアトレードでできること

ガーナのカカオ生産者組合クアパ・ココ @Divine Chocolate

フェアトレードの取り組みは、こうした貧困の状況を変え、農家が暮らしていくのに十分な収入を得て、地域全体が発展し、人々の自立により貧困から抜け出すことができる仕組みを作るために行われています。

ポイント①児童労働の禁止
国際フェアトレード基準では、児童労働や強制労働を禁止しているため、フェアトレードのチョコレートに使われているカカオ豆が子供たちによって栽培されていることはありません。また、同地域で児童労働に携わっていた子供たちの受け入れ先として、学校や児童館などの施設の建設を進めています。

ポイント②フェアトレード最低価格の保証 
カカオ豆の国際市場価格は、生産者の意思に無関係で決められてしまいますが、フェアトレードの取引価格は、たとえ市場価格が暴落したとしても、一定の収入を守るために、「フェアトレード最低価格」が決めらていて、それ以下に下がることはありません。フェアトレード最低価格は、市場の動向に合わせて3年ごとに見直しがされます。国際フェアトレード機構は、2019年にカカオ豆のフェアトレード基準を改定し、フェアトレード最低価格をFOB1トンあたり2000ドルから2400ドルに変更することを決めました。有機認証を受けたカカオ豆の場合は、2300ドルから2600ドルに上がります。

ポイント③フェアトレード・プレミアム
フェアトレードのカカオ豆には、商品代金とは別に、地域発展のために使われるフェアトレード・プレミアム(奨励金)が輸入者から生産者組合に直接支払われます。毎年、生産者組合の代表が集まる委員会で使い道が話し合われ、教育やトレーニング、保健医療、インフラ整備、投資など、農家の人々が最も必要とする用途のために役立てられます。2017年には、世界全体のフェアトレードカカオ豆の取引により、4300万ドルものフェアトレード・プレミアムが生み出されました。

フェアトレードのインパクト

カカオ豆の生産地ガーナでは、学校がなかったり先生がいなかったりして教育を受けさせることができなかった地域で、フェアトレード・プレミアムにより教育設備や人材を整えることで、子供たちが学校へ行くことができるようになりました。地域に学校ができることで、フェアトレードに参加する農家だけでなく、その近隣農家からも、子供たちを学校に行かせることができるようになり、その地域全体の児童労働を減らすことができました。

「女性は家にいるもの、男性の言うことに従うもの」という意識が高かった地域では、フェアトレード・プレミアムにより女性向けの識字教室や起業支援、融資制度などを行い、女性の地域進出を可能にしました。女性が収入と自身を得ることで、家計を管理する能力を身につけ、子供たちがより良い環境で暮らすことができるようになりました。

DIVINEフェアトレードプレミアム

ガーナのカカオ生産者組合クアパ・ココのフェアトレードプレミアムで学校ができました @Divine Chocolate

 

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