*2015年度より、コーヒー生産で農民の経済的自立を目指す自立支援プロジェクトを、ミャンマー国カヤ州の2村14名を対象に実施しています。(独) 環境再生保全機構の「地球環境基金」により森林農法や有機農法の技術支援を、(公財)生協総合研究所の「アジア生協協力基金」により生産者組合の設立支援を行ってまいります。コーヒーの栽培指導のみならず、収穫したコーヒー豆を加工・商品化し、販売ルートを確立するまでの、包括的で長期的な支援です。*
2015年9月、この事業の指導を行うコーヒー専門家が現地に赴き、生産者組合設立に向けたワークショップを実施しました。
農家のやる気がプロジェクト成功の鍵!
山本博文 専門家・コーヒープロジェクト指導者
現在、2地域でプロジェクトを行っています。カヤー州の中心地、ロイコーという場所から車で1時間ほど行った場所にあるドウビャク村、標高は約800m。もう一つは、車で4時間ぐらい行った場所にあるヤイブラ村、標高は約1400mです。今回は、この両地域の農家さんにロイコーまで来てもらって、ワークショップを行いました。彼らにとっては、初の顔合わせです。9月はまだ雨季に当たるので、ロイコーまでの道中がかなりぬかるんでいたらしく、遠方のヤイブラ村の皆さんはバイクで6時間かけてきてくれました。おおきに!
昼食を食べて、早速ワークショップ開始です。自己紹介をそれぞれしてもらって、初めての挨拶。ドウビャク村とヤイブラ村、それぞれ違う言語を使います。カヤー語とカヨー語。共通言語は、ビルマ語になります。ぼくは、どれもしゃべれないので、優秀は現地コーディネーターのリーミャーさんに通訳を頼み、ワークショップを進めました。
コーヒー栽培は、彼らにとってはまだまだ新しい農業で、今回のプロジェクトが開始されるまでは、ヤイブラ村にはほぼコーヒーの木がありませんでした。そこで、今回のワークショップでは、まず、他の生産国では、どのようにコーヒーが栽培されているかを紹介しました。フィリピン、東ティモール、インドネシアの状況を伝え、それぞれの国のコーヒー農家がどのように暮らしているかを紹介しました。皆、他の生産国のコーヒー農家のことを興味津々に聞いてくれ、和気藹々とワークショップがすすみました。質問も活発にあり、コーヒー栽培に対する意欲を感じました。最後に、みんなで協力してがんばりましょう。と確認しあい、無事に終了。
次の日は、ドウビャク村へヤイブラ村の農家の皆さんと一緒に訪問し、実際に育っているコーヒーを実地で見てもらいました。それぞれに抱える課題点、問題点にアドバイスをし、ヤイブラ村の農家さんと共有しながらドウビャク村の各農家さんのコーヒー農園を訪問しました。6月訪問時に提供したコーヒーの苗木はしっかりと根を張っており、元気に育っていました。最後に、コーヒーの苗場へいき、発芽を迎えたコーヒーをポットへ移し替える方法をお伝えし、実際にみなさんにやってもらい終了。
(*2015年6月には地球環境基金の助成により、苗場やコーヒー豆を発芽させる発芽ベッドを各村に1つずつ建てました。)
ヤイブラ村の皆さんは、まだ6時間かけて帰路へつきました。ほんとうに、来てくれてありがとう。
このミャンマーのコーヒープロジェクトは始まったばかり、出だしは快調です。まだまだ、やらないといけないことはたくさんありますが、今回のワークショップで、彼らのやる気を感じました。このやる気を大切にしながら、彼らのために、彼らの一緒に成功へ向けて邁進していきます!
今後のプロジェクト
6月の発芽・苗場づくり、9月の研修に続き、2016年2月にも技術向上支援を実施します。コーヒーの栽培は個人作業に思われますが、種植えや苗育成など、栽培から協力して一緒に取り組むことで効率が上がり、将来、収穫や加工のために必要となってくる組合づくりの基礎となり、協力体制を築くきっかけになります。そのため栽培技術指導と生産者組合設立を同時に取り組んでいきます。
★この村のコーヒー「Kaya Li Coffee」を現在販売しています!
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