“Bean to Bar”という言葉、聞いたことはありませんか?カカオ豆から板チョコへ、自分で作ってみたり、その工程を知ろうという取り組みです。
日本ではまだ市販でカカオ豆を手に入れることは一般的ではありませんが、わかちあいプロジェクトでは、2011年よりカカオ生豆のフェアトレードに取り組み、パプアニューギニア産とインド産のカカオ豆の輸入販売を行ってきました。
そして現在、完売してしまったパプアニューギニア産のカカオ豆に変わる新たなカカオ豆の取引を準備しています!
サンプルを取り寄せたのは、アフリカ・ドミニカ産と南アメリカ・ペルー産のフェアトレード&オーガニック認証を取得したカカオ豆。
パプアニューギニア産のカカオ豆をお取り扱いいただいている都内のチョコレート屋さんにご協力いただき、これらのカカオ豆サンプルからチョコレートの試作を行いました!
カカオ豆と一言に言っても、産地や品種が違うと、見た目も味も、香りも全く異なるんですね!
こちらがアフリカ・ドミニカ産のフェアトレード&オーガニック カカオ豆。
そしてこちらが南アメリカ ペルー産のフェアトレード&オーガニック カカオ豆です。
香りと味をお伝えできないのは残念です…
スタッフの試食の結果、ペルー産のカカオ豆は発酵の香りが高く酸味が強く、ドミニカ産のカカオ豆はまろやかで馴染みのある香りでした!
今後、こちらのカカオ豆の輸入について生産者、流通業者と調整を行っていきます!
入荷をお楽しみに☆
さて、カカオとフェアトレードについて、少しお話したいと思います。
カカオ豆はコーヒー豆と同じように、需要と供給によって国際取引市場で価格が決定される流通商品です。昨年、この市場価格の高騰により、明治や森永、ロッテなどの大手チョコレート業者が次々とチョコ商品の価格を上げたり、内容量を減らして帳尻を合わせたりしたことは、チョコレート好きの方にはまだ記憶に新しいのではないでしょうか。日本ではカカオ豆の取引がほとんど行われておらず、海外の大手商社からのカカオ加工品が流通しているためです。需要の増加を受けてガーナやコートジボワールといった主要カカオ生産地の政府は、国内総生産を上げるため、カカオ生産を促進させる方策をとったりもしました。
カカオ豆の価格が高騰した理由としては、需要が供給を大きく上回ったことによりますが、供給が間に合わないということは、1つにチョコレートを求める人が増えているということ、もう1つに生産がうまくいっていないことを意味しています。生産が間に合わない理由には天候不順もありましたが、それよりもっと重大な理由として、農家がカカオ豆を育てて売っても、貧困から抜け出せないという絶望的な状況があり、生産者をカカオ栽培から遠ざけてしまっているからです。市場価格が上がっても貧困状況が変わらないというのは、おかしな話ですね!他の作物を作ったほうが良い暮らしができるのであれば、誰だってそちらを選びますよね…。カカオ生産の状況が改善しなければ、将来的にチョコレートがもう食べられない!なんて事態も起こりかねません。
そのような状況において、国際フェアトレード市場のカカオは年々成長を続けています。2011年度から2012年度にかけて、フェアトレードに携わるカカオ農家は18%増えて、農家が受け取るフェアトレード・プレミアムの金額も20%増加しました。
(Fairtrade International: Fairtrade Cocoa Factsより)
国際フェアトレードラベル(FLO)の認証を受けたカカオ生産者には、万が一市場価格が下がっても一定レベルの価格が守られる「フェアトレード価格」の保障と、商品代金に上乗せして支払われる奨励金「フェアトレード・プレミアム」があります。また、FLO認証を受けるためには、個人でなく生産者組合を組織しなければならないという仕組みがあるので、同じ目的をもった生産者が集まり、彼らが暮らす地域が貧困から抜け出し、発展するのために何が一番必要か、話し合って用途が決められ、開発が進められます。
現在、国際フェアトレード認証を取得しているカカオ生産者は約130団体。2012年には940万ユーロ、日本円にして約12億円のフェアトレード・プレミアムが、教育や医療、インフラなどの整備や、農場の作業効率を上げるための設備投資やトレーニングなど、発展のために使われました。
美味しいチョコレートを食べ続けるためにも、フェアトレードは必要なんですね!
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