古着支援出張報告

2014年 9 月
一般社団法人わかちあいプロジェクト 浦野

2014年8月19日~22日にわたり、タイのミャンマー難民キャンプ
「Mae La難民キャンプ」「Umphang難民キャンプ」およびTBCバンコク事務所を訪問し、
古着配布に立会いました。

8 月 19 日(火):Umphang キャンプ

Umphang キャンプ内には米や調味料などの配給を月に1回行う倉庫が 2 箇所あり、日本から送った古着もそこで配布されました。すべての配給は世帯毎の配給台帳で管理されています。キャンプには 15 のコミュニティがあり、倉庫 1 が コミュニティ1~7 を、倉庫 2 が コミュニティ8~15 を管轄しており、両方を視察しました。当日と翌日の 2 日間かけて全世帯に配布する計画とのことでした。

倉庫1では、基本的には種類を選ぶ余地がなく、住民自ら家族数分を受け取ります。
しかし、古着の山を前にするとつい品定めをしてしまっていました。

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倉庫 2では箱に入れてくじ引きのように難民自身に服を取らせる方式でした。
各世帯に一通り配分して余った場合は、各地区のリーダーで分け、より貧しい家庭からリーダーが追加配布するそうです。
ちなみに、ダンボールは 1.5THB/kg で買い取ってもらえるそうで、きれいに畳んで集めていました。お茶飲み休憩代くらいには当てられるそうです。

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☆Umphang キャンプでのインタビュー☆

ハサウェイさん(男)
倉庫 2 のサプライマネージャーとして勤続 15 年働いています。
日本の古着にはとても感謝し、重宝しています。難民たちは服を買うための十分なお金がありません。
この倉庫での配布方法ですが、大小、男女、デザイン、色々ある服の中から一人ひとりに選ばせるのは時間がかかりすぎるため、箱からくじのように引く方式を採用しました。とりあえず割り当て数を引き、万一家庭のニーズに合わなければ、知り合いと個人的に交換することができます。
破れたものや状態のよくないものがたまに入っていることもありますが、服を送ってくれた日本のみなさんとわかちあいプロジェクトには、とても感謝します。ぜひ私たち難民がこれからどうなるか、ニュースをみていてください。母国のミャンマーに帰ることができればベストですが、いまはまだ平和でありません。
ムユウスさん(女)
とても素敵な服があり感謝しています。たまに若者向けすぎることもありますが・・
いつも3年は着ています!

 

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8 月 21 日(水):Mae La キャンプ

Mae Sot には 5 つの倉庫がありますが、配布は 4 箇所で行われました。配布方法が Umphang と異なり、4 箇所にほぼ共通して、シートを広げた上に古着をまとめて山積みにし、担当スタッフが必要数を無作為に選び、名前を呼ばれた難民に渡し、受け取ったら台帳にサインをするという方式でした。

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☆Mae La キャンプでのインタビュー☆

・倉庫4のサプライマネージャー
日本の古着は品質がとてもよく、支援者のみなさんにとても感謝しています。
このキャンプでは子どもが多いのに対して、適した服が得られないこともあります。
1 人 1 枚配布していますが、それでも足りない服は、キャンプ内の店で自分で買いますが、お金のない難民は買うことができません。
大人は特にシャツ(ボタンダウン)やベスト、ジャケットのようなものを求めています。
・倉庫1のディストリビューションマネージャー
日本の古着は品質はとてもよいです。
数は1 人 1 枚であれば足りますが、2 枚以上は配ることができません。
また、(混乱をさけるため)難民自身には選ばせることができません。
ニーズに該当しないものが割り当てられても、知り合いや親戚と交換します。
ここでは、もらったものを売るということはないと思います。

 

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年に 1 回、1人1枚ではありながら、現地の人々にはわかちあいの集めた古着はとても重宝され、毎回感謝されていることがよく伝わってきました。一方で、キャンプにより気候も異なり、子供服や冬服など、より必要とされる地域や家庭にきめ細かく配分できれば、より古着を活かすことができると感じました。
今回各キャンプで古着配布に留まらず、TBC や他の団体も含めた難民支援の現場にお邪魔し、これまであまり触れることのなかったミャンマー難民の現状について、少しではあるが理解を深めることができました。
Pakpaoさんをはじめ TBC 各スタッフの協力のおかげで、大変貴重な視察を行うことができたことに感謝するとともに、今回見聞きしてきたことをしっかりと古着支援に協力してくださった皆様に報告したいと思います。